踊る雲

ふと空を見上げて感じたのです。
あ、雲が踊っていると。
危険だ、眩暈を起こしている。
上手に倒れないと頭を打つだろう。
血の気がひいて行くのを感じた。

あれ、倒れない？
血の気がひかない。
でも眩暈は続いている？
どうして？

本当に雲が踊っていたのです。
生まれて初めて見ました。


首を回して遠方を確認します。
雲は動いているように見えません。
反対側も見ました。
雲は動いていません。
真上を見ました。
躍動していますよ、雲が！
眩暈じゃない、現実だと。



雲の連続性をもう一度見ました。

綺麗に並んでいる。
山間部から来る雲は厚くて灰色。
真上はちぎれて真っ白。
行く先は薄い雲。

丁度真上で、真横の渦巻き状に波打っているんだ。
気圧が不安定なんだと考えました。
大きな範囲でキャビテーションを起こしている。
旅客機の羽の後ろにできる雲と同じ現象です。
つまり雲は山間部で圧縮されて、平地に出て減圧されて波打つのです。


本当に上下に雲が踊っていて面白かった。
生きているみたいなのですから。

雲の流れが早くて見惚れることは多くあります。
大自然の猛威に畏怖と憧れを抱く。
今回は驚いただけです。
山間部の頂上から雲海を見るような現象を下から見ているのです。
驚くなと言われる方が無理。


いいものを見ました。
雲には竜ではなくて、ヒラメが居るのでしょう。
きっと！



　

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