段取り違いに [お稽古・勉強]
芝居というものは、時間を掛けて作り上げて行きます。
その過程が面白いのですが、苦労でもあります。
そしてイライラしたりドキドキしたりズッコケたりするのです。
何が起きるかワカラナイ混乱ぶりが、一番の楽しみなのです。
上手な人と演じると上記の楽しみがありません。
プロの役者は商売で仕事ですから、役や作品を磨き上げるのです。
その点、素人集団は何をしていいのかさえワカラナイ。
芝居は段取りというルールが決まるまで、ノンルール。
アル意味なにしていいし、何もしてはならない。
矛盾の塊りなのです。
スポーツ愛好者には理解できないでしょう。
音楽を純粋に楽しむ人らも同様です。
スポーツはルールが、おんがくには楽譜という決まりがあります。
でも芝居には台本、脚本、戯曲と呼ばれる本がありますが、それだけ。
本を書いた人の脳内には、理想の演技があります。
でも役者には、本を解読した世界観があるのです。
この擦り合わせが大変なのです。
更に、役者が想定外の動きをして、作家の範疇を越えてしまう。
駄目な演技とか、良い演技の範疇外の行動。
新たな提示がなされると、何かしらの判断を生み出します。
これが化学変化と呼ばれる、作品の昇華になります。
その瞬間に立ち会う役者。
これが喜び、サプライズです。
芸術です。
芝居の虜になる瞬間が訪れたのです。
もう神からの贈り物に匹敵するでしょう。
でも想定外、段取り違いなのです。
臨機応変に動ける場合と、場面に呑み込まれてしまう瞬間なのです。
期待はしていませんが、訪れる時は突然なのです。
好ましいのか、そうでないのか。
それも提示されてから。
宝くじみたいなモノなのです。
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