桜が散ります

見事に咲いた桜の花。
すでにハラハラと散り始め、地面に薄い桃色を捲き始めました。
舞い散る花びらの元に佇むとえも云われぬ気分。
日溜まりにそよぐ風。
春の幸せは此処にあります。

その貴重な気分を満喫出来ないのがサラリーマン。
仕事しに訪ねた先で幸福に浸っている訳にもいきません。
この場所は大学病院の校内です。
花びらのように散らす命もある場所です。

大学ですから新入生も来ます。
丁度それらしい肌に合わないスーツを着た童顔の一団が、
バスに乗せられてやって来ました。
将来のドクター候補生でしょう。
学生達のエリートですが、今後の困難さを想像するに哀れでなりません。

気楽に桜吹雪を味わってる自分は幸せ者。
多少の障害事はありますが、必要経費のようなもの。
そうなる様に考えて行動してきたのです。

人が羨む事は往々にして苦労が絶えない事が山積してるもの。
沢山敵を自動生産する仕組み、立場だったりします。

仕事しに来て、桜で幸せ味わってる自分の立場は奇跡的な瞬間だと言えます。
誰にでも出来る事ではありません。

花を見上げながら他の方の人生なぞ気にせず、
勝手に幸せしてます。