秋空に向けて

公民館の駐車場の片隅に、老人夫婦がいました。
台風の影響で風の強い今日です。
紫外線も強くて、日陰に二人で動いていました。
　
良く見るとステップを踏んでいます。
女性は色の派手なダンスシューズです。
ご夫婦なのか推測で書いていますが、たぶんそうでしょう。

私も公民館のダンス教室に通った時代もありました。
中年から始めないと身に着かないと聞かされていしました。
けれど中年でも遅かったです。
決まった振付が全く思い出せません。
もう行かなくなって久しいですね。

教えて貰った時には踊れるのです。
翌週に行くとスッカリ忘れていました。
参加者は基本的に、前期高齢者ばかりでした。
中年層は私くらいでした。

時間がまったり流れて、老人性の加齢臭が漂う空間です。

昨年でミュージカルを卒業しましたが、あの時は若い女性ばかりでした。
必然乳臭いのです。
幼児や小学生が多い程に、室内は乳臭いです。
集合した時には、シャンプーや石鹸の人工香料の香です。
でも汗を流し始めると、乳臭いです。
老人性加齢臭と対照的です。
また男性ユニットの場合は、オッサン臭だ漂います。
特に小学生は敏感に反応していました。
けれど乳臭い臭いには無頓着です。
つまり自分の匂いは分からないのです。
　
駐車場でステップの確認をする、老人二人。
風で加齢臭も流れて行った事でしょう。
ダンスをする男性は貴重な存在です。
自分の通っていた教室は、夜教室なので男性が少し多かったです。
ローテーション待ちする男性が幾人か出ました。
昼のダンスだと、女性しかいないでしょう。
男性老人だって暇でしょうが、いない物です。
ぞろぞろと出て来た人は、ほとんどが女性でしたからね。

男女比は、時間帯とかで大きく替わってくるものです。

老齢の身でダンスに挑戦するとは凄い事です。
そもそも体が動くだけでも凄い事です。
自分は膝の調子が悪くなって休止しました。
追い打ちを掛けられて、仕事が繁忙し通えなくなった身です。
休まずに通えば、暇だと思われなかったでしょう。
それに震災の電力不足も入り、存亡さえ懸念されました。
昔の事です。

今は歩くのさえ困難な日もあります。
膝の故障は悪化の停滞状態。
手術しても良くならないのが膝の故障です。
自己の怪我なら即手術で、加齢なら放置です。
自分はダンスとミュージカルで止めを刺してしまったのです。
もう踊ることは一生ないでしょうね。
新薬や新技術の登場まで、機械は訪れません。

ついでにバイクも、これでは乗れません。
今のように、スクータとカブがお似合いですからね。
大きなスポーツバイクは支えられない。
ステップコントロールもできません。
スポーツできないなら、乗る意味さえないのです。

ダンスもスポーツも、膝があっての運動ですからね。

高齢になっても、自分の足で踊る。
踊れる。
素晴らしい事です。