書評「そうだったのか手塚治虫」中野晴行 著 [勝手な思い込み]
この本は戦後漫画文化を創りあげた
天才「手塚治虫」の作品を時代背景と共に解説した
ルポルタージュ、専門解説書の趣があります。
手塚氏とも交流の深い存在なのか、
話の内容が偉人の解説でなく知人の四方山話のよう。
読んでいて肩の凝らない本です。
「そうだったのか手塚治虫」
中野晴行 著
祥伝社・祥伝社新書
760円+税
手塚作品は余りに数が多くて、
その存在自体を把握し時代考証するだけで、
困難な作業を強いられます。
その作品群から時代背景や手塚氏の近況を考察、
心理背景に考えを巡らすなんて研究者の仕事です。
それを編集プロダクションの方が作る。
余程好きな作家だったのだなと考察します。
本の後書きを読むと本が目指した事が判ります。
ですがこれを読んで本の内容が判る事はありません。
手塚作品を知っている人は思い出しながら、
知らない若い人は作品を読みながら感心する。
そういった楽しみ方を提案します。
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