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本の欠損修理 [本・執筆]


先日にテレビを見たら、絵本や小説本の特集していました。
子供向けに、読書を頑張らせる特集でした。

この時に問題になるのが、本の破損。

本の背表紙は、昔ならガーゼに膠を塗って紙束を張付けていました。
古い本は膠が古くなって、ポロポロと膠の結晶が落ちて来たものです。
一緒にガーゼも繊維が壊れて剥がれ落ち、本の見開きが割れたりしたものです。


現代は木工ボンドで、割れた谷間を埋めて張付けるみたい。
自宅に近い図書館でも、司書の方は木工ボンドで修復するのを見たものです。
それを倣って、自分も本を修理してきました。
木工ボンドが一番良いのでしょう。

膠もボンドも、水溶性です。
水濡れすると緩みます。
確か木造仏も、修理するときは木工ボンドです。
彫刻家の先生に話を聞いたら、寄せ木する時は木工ボンドだそうです。

壊れた時に、木工ボンドなら水で洗って付け直せます。
工業系のエポキシ樹脂だと、素材を一緒に削るしか手が無い。
強力な分だけ、下地や素地を痛めるのですね。

そんな番組を見たら、自分の古い本も谷が壊れて真っ二つになりました。
ピンセットで膠樹脂の欠片を取り除き、カッターの背で荒い傷を付けてボンドを塗布。
しばらく待ってから、キッチンペーパーで強くボンドを拭き取りました。
そしてもう一度待ってから、本を閉じました。
テレビではボンドが余計に回らぬように、撥水キッチンペーパを挟んでいましたね。
自分は撥水紙がないので、先にボンドを拭き取りました。
足りないくらいのボンドが、丁度良かったりするのです。


電子書籍が増えて、紙の本が消え去ると予見されて、十年程経過しました。
出版不況は年々進行しています。
取次の問屋も、大手が幾つか倒産しました。
小さな個人商店は、殆ど残っていません。

でも本は消え去る気配がありません。

大型書店に、今もって沢山の本が並んでいます。
縮小しても、根強い客は健在です。
駅中書店は、今も客で溢れていますから。


今も変わらぬ光景を見て、読むのも書くのも嬉しい気分になるのでした。
古い本を手に持ち、昔を思い出す。
本は、手の平型タイムマシンでもあるのです。





 

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