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感情移入のしかた [コラム・ぼやき]


物語を作る時に感じている事です。
登場人物を作者は愛している事実です。

指摘されるまで気が付きませんでした。

極悪非道の輩も、女々しい男であっても、作者は少しも嫌悪しません。


この事実を理解できるまで、長きに渡り数年掛かりました。
このブログを書こうと思い立った時に、閃いた確信です。


思い返すと、小説指南書や脚本ガイドに、その旨が書かれていましたね。
読んで知識になっても、実感していないから活用できません。
この馬鹿さ加減を是正するのが、日々の稽古、練習、習作なのですね。

登場人物に感情移入している作者。
本来の目的は、読者や視聴者に感情移入して貰わなくてはイケナイのです。
創作者の感情移入の強さや量を自覚していないと、物語の起伏が平坦になります。
作っている本人は最高傑作を毎回書いていても、ツマラヌ作品に仕上がってしまいます。

批評する方や、指導者に怒りを覚えてしまうのです。
どうして理解してくれないのかと!
挙句に、理解できない読者が無能だと罵倒したりする訳ですね。
罵詈雑言は自分に還って来ます。
無能なのは作者なのですから。

山あり谷あり、仕掛けあり、策略、謀略、裏切り、天変地異ありでなくてはいけません。
登場人物達を、もっと困らせて逃げ惑わせ、苦難に喘がなくてはいけません。
敵役を強く、容赦ない人物にしなくてはいけない。
主人公は生かさず殺さずに、最終局面に持って行かなくちゃならないのです。

作中の人々を愛して、慈しんではいけないのです。
それは少女漫画だけに許された技法。
男には使えない魔法です。
創作世界の登場人物に、人権は要りません。
苦難の道だけあればいいのです。

このように定義すると、仏教の経典その物ですね。
人生の真理は『苦』であると定義されております。。

作中の人物達は、救いも無く、最後まで苦悩するのです。
最後に光を少し見せ与えるだけ。
何となく救われた感じにまとめて終えるのです。

これがカタルシスになって、開放感と感動を創生させられるのですね。
創作指南書に書いてあります。
指導理由を理解して居なかったのです。

これまた何かに書いてあったと思い当たります。
指南書=聖書・経典である、と気が付きました。
まさしく作者は、創作世界において神なのです。
映画「マトリクス」みたいな、意識界にある『偽りの真社会』を作り出すのが、創作です。
入れ子構造、マトリョーシカみたいな構造です。


気が付いた以上は、自分は創作世界の『祟り神』になるしかありません。
気の毒ですが、大きな愛で包んで置きながら、祟り捲る。
最低人間=偽神です。




 

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