回顧主義

歳のせいなのか、昔は良かったなと思うことがあります。
思い出は美しくなるものですから、しかたない面もあります。
私だって若い頃はあったわけで、年寄りの回顧主義に反発もしました。

そもそも、昔を振り返ってウンヌンは何時頃からしていたのか。
結構若い頃から、例えに昔話を持ってきて、今を比較したのでしょう。
中学生くらいには、小学校の引き合いを出していたように思うのです。
高校時代には中学時代を。
高校卒業してからは、学生生活を例えにしていた。


誰でも変わらない特性なのでしょう。
世の中は科学が進歩したって、昔を例えて良かったと思うのです。
思い出の自浄化作用が働くのですね。
心理学を勉強しつつある今は、そのことを念頭に置くようになりました。
嫌な思い出さえ、嫌では無く思い出されるのです。


昨日書いたブログで、思い出したくない思い出があります。
今でも思い出せないのです。
通常の人なら、ガードして思い出せないようにするか、記憶操作をするかします。
自分は、恨みの濃いタイプですから、時折思い出しては思い出すことが多かった。
それが漸く記憶の海底に沈んだのに、無理に思い出す切っ掛けを与えてしまう。
演技の技が、過去の記憶を鮮明に思い出させようとする。
記憶の片鱗が見えると、心が竦みます。
それがトラウマと呼ばれるものだと、近年知ったのです。


基本的に、トラウマなんて単語は知っていても、実用の言葉にしません。
通常の人々は、心の安全装置が堅牢なのです。
漏れないように出来ている。
それを緩めて何とか学問や作品にするのが、芸術家。
なるものではありません。
辛いだけですからね。


なので昔話を思い出さないようにするべきだと思うようになりました。
最近になって、自分のアルバムを見たのです。
小学校の入学集合写真みても、自分も同級生もワカラナクなっていた。
それでも不便しないし、問題も無いのです。
昔は昔で、良くも悪くもあったのです。
それだけですね。


今を感じて、今に生きる。
未来でも過去でもなく、今現在。
それだけで充分なんですよね。





　

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