放浪癖

放浪癖。
子供が目を離すと何処かに行ってしまう。
これが大きくなっても治らないと放浪癖とか言われる。
言い換えれば冒険心の現れでもある。
探求心が強い訳だ。


自分は気が小さい割に何処にでも出かけたらしい。
本人に大昔の自覚が無いから、親からの伝達で理解した。
小学生の頃に知らない所へ冒険に出た。
この時は同級生が一緒だったし、帰って来る段取りもした。
秘密基地とかも作った。
懐かしい思い出だが、幼少時の記憶にはない。


よく親が村中を散策して見つけて来たらしい。
何かに誘われるように一人で出たらしい。
大抵の行先はわかっていたらしいから、直ぐに見つかった。
とにかく南で進んだらしい。
何かしらの行動原理が存在している。


年度の農事暦、風水だか高島歴だとか見ても、幸運方向ではない。
体内に存在する原始的な衝動があるのだろう。
でも今は南に何の期待感は無い。
バイクで出掛ける時は西か東である。
道の構造がそうさせているとは思う。
インフラに作用されているのだろう。


高齢化して呆けて来たら、南に行くのかもしれない。
磁力線に導かれているのかも？
何であるか永遠に理由はわからないが、そうなったらである。
数十年先だろうが、何か期待したいものだ。
その時己は何によって支配されているのだろうか？
もう一人の自分がそこにいるだろう。

呆けた私の逃避行である。
期待したくないが、落胆もしたくない。
唯一、認知できないのが勿体ない。




　

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