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断捨離文 [本・執筆]

小説の指南書を読むと削り込みなさいと書かれています。

歳月を掛けて書きつなれた作品。
愛おしくて仕方ないものです。
初心者で下手ならヘタな程愛おしい。



自分は昨年まで油彩画や木彫刻していたから、作品に対する愛おしさは三倍くらい高い。



芸術系の教室で行われる添削は容赦ない。
経験者ならよく知っている事実です。


当人が巧くなりたいなら、添削は人格否定に近い仕打ち。


ナアナアなら何もされない。
全てを肯定してくれます。
居心地の良さは格別です。
だから永く続けられるのです。


努力の結晶が目の前で削り取られる。
最大の苦痛です。


しかし文学は自らが添削するしかない。
ご意見を承っても、削った部分の修正をしなくてはつながりません。
修正は著者がやる。
修正ミスなら更なる添削が待っています。


絵画や彫像との違いは現実と非現実の違い。
抽象度が違う。
概念が見えない。
見えているのは文字や文章です。
描章が明らか過ぎて真意が隠れてしまっているからです。



作品を見つめ、過去の自分を見つめ、未来を想像する。
努力と時間を無にしなくてはならないのです。指先が固まって動かない。
小説の断捨離は苦痛以外の何物でも無い。


過去の文人評伝を読むと、皆さん惜しげも無く切り棄てていますね。
自信があるのですね。
作品が良くなる自信が。
迷いが少ない。
決断力が高い。



脱稿した作品を見て、削りあぐねる自分がいる。
苦難はここからはじまるのですね。



 
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