風の一日

海の日です。
海無し県にしてみれば何のことやらと思うだけ。
海を見て育てない人生観で海を想うだけ。
海原に夢を馳せるのです。



然しながら今日一日素晴らしい心地よい風が吹いてくれた。
一生に数回しかないだろうと思う夏の風です。
これこそ感動の一日でした。
大自然の偶発的な恩恵です。



ここ数年の酷暑の夏。
到底受け入れ難い苦痛の日々。
それでも生き永らえた実感が今日の風を心地よくする。
空腹が最高の隠し味であるのと同じ原理です。
人知を超えた自然の成り行きに感動を得たのです。





青春をオートバイで駆け抜けた身の上だから、風に拘りがある。
肌身を駆け抜ける空気との対話、触感。
これが立ち止まるだけで得られる。
肌が大気と調和してゆく。
温度や湿度、味や色を感じる。
言葉にすると上記になりますが、感覚的には違う。
言葉にならない感覚です。
ノンバーバルです。




一日それを堪能しながら読書に耽る。
蓄積される知識と、言葉との出会い。
風に祝福されているかのようです。
読書量も上がるというものです。
本当に心地よい一日でした。



　
　

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